ファクトリー便り

現場の技を訪ねて:無垢カウンターの微調整にかける職人の腕と眼

現在、板蔵ファクトリーの工場ではカウンターの製作が佳境を迎えています。 今回は、そんな製作途中の風景と、職人が大切にしている「調整」の工程についてご紹介します。

敢えて「組んでから」微調整する理由

作業場の一角では、熟練の職人が仮組みの状態でカウンターの微調整を行っています。 実は、最初の加工はパーツごとに行うのですが、そのまま完成・塗装とはしません。

なぜ、広いスペースを使ってまで一度「仮組み」を行うのでしょうか。

コンマ数ミリの積み重ねが大きな差に

パーツ単位で加工しているときには完璧に見えても、実際に組み合わせてみると、不思議なことにわずかなズレが生じることがあります。

担当している職人に話を聞くと、その理由は非常に繊細なものでした。 「パーツ単位ではコンマ数ミリ程度の、目には見えないような小さな差であっても、全体を組み上げたときにはそれが重なり合い、数ミリレベルの大きな違和感として現れることがあるんですよ」

この「微細なズレの蓄積」を解消し、製品としての完成度を極限まで高めるために、組んだ状態での最終調整が不可欠なのです。

あらかじめ「余裕」を持たせる知恵

最終的にぴったりの寸法に仕上げるためには、逆算した準備も必要です。 組み上げた際に寸法がわずかに足りないといった事態を防ぐため、パーツ加工の段階ではあらかじめ計算された「バッファ(余裕)」を持たせておくこともあります。

一枚板は削りすぎてしまえば後戻りはできません。あえて余裕を残し、組み上げた状態で現場の状況に合わせて緻密に追い込んでいく。これこそが、長くお使いいただける製品を生むための職人の知恵です。


大きなヒノキのパーツを前に、ミリ単位以下の手仕事で進められる緻密な作業。 その一挙手一投足を見ていると、ものづくりに対する情熱と誠実さが伝わってきます。

お客様へお届けできる日が楽しみです。

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