ファクトリー便り
【工房レポート】まるでプロペラ?ねじれたミズメザクラを蘇らせた「高周波プレス」
今回は、私たちの工場に持ち込まれた「ある一枚板」の修復エピソードをご紹介します。
倉庫から見つかった、驚くほどねじれた原板
その板は、グループ会社であるヤマガタヤ産業の原板倉庫で、倉庫管理担当の方が見つけました。樹種はミズメザクラ。本来なら非常に美しい木目が特徴の木材ですが、その板はまるで「プロペラ」のように、全体が激しくねじれ切っていました。もちろん、このような状態にならないよう注意して保管はしているのですが、木も生きている以上一定割合ねじれてしまうものも出てしまいます。
通常、ここまで大きな狂いが出てしまうと、製品として使うことは困難です。
「高周波プレス機」による組織の矯正
そこで私たちは、このミズメザクラを「高周波プレス機」にかけ、ねじれをとることにしました。
高周波プレスとは、板に圧力をかけながら電磁波を照射し、木の組織を内部から直接加熱する技術です。これにより、木材内部の水分バランスを均一に整えながら、木に蓄積されている「応力(木が曲がろうとする力)」をじわじわと抜いていきます。
ビフォー・アフター:驚きの変化



ご覧の通り、以前は地面に置いても勝手に浮き上がってしまうほどのねじれがありました。


そしてこちらが、プレス加工を終えた後の姿です。あんなに激しかったねじれが解消され、通常の原板と同じように「レベル出し(平らに削る作業)」ができる状態までまっすぐになりました。
機械の力と、工場長の絶妙な技
この劇的な変化には、最新の機械の力はもちろん欠かせません。しかし、ただプレスすれば良いというわけではありません。
木の個性を見極め、かつ確実にねじれを直すために「どの程度の力で、どれくらいの間圧をかけるか」。その微細な調整を行った工場長の熟練の技があってこそ、このミズメザクラは再びつかえるようになりました。
この板がこれからどうなるのか、今から楽しみです。