TOUCH WOOD VOL.14

日本の木でリラックス!?「ひのきリゾート」in Korea.

日本人よりも「日本のひのき」を高く評価してくれ、喜んで使ってくれる国がある。韓国だ。何やら弊社からの桧等の建築資材をふんだんに使った「ひのきリゾート(正式名不明)」が韓国でオープンするという情報を得て、大型連休に私の家族と親戚で訪問する事にした。韓国ではリゾート建設に関わったパートナーが迎えに来てくれるとのことだし、プライベート旅行という事もあって細かい場所を調べたり予定をさっぱり立てる事無く韓国へとりあえず飛んだ。

現地パートナーが迎えに来てくれて本日の目的地を尋ねると、何と今日そのまま「ヤンヤンのひのきリゾート」へ向かうらしい。ヤンヤンとはパンダのキャラクターか何かかと思ったが、韓国屈指の国内リゾート地の地名らしい。「大丈夫、遠くないよ。」というから安心して車に乗ったが、一向に高速道路から降りる気配がない。異常な数オービスが設置されている韓国の高速道路で「月に4回くらいハガキ(違反切符)をもらう」という強者のパートナーによるスピード感あふれる運転をもってしても、まだ着かない。5時起きで初の海外旅行に挑んだ3歳の息子はピクリとも動かずに寝てくれたが、4時間経ちすっかり夕方になる頃、ようやく到着した。ヤンヤンをスマホで検索すると、何と朝鮮半島の東端であった。しかもちょうど良いタイミングで「ヤンヤン国際空港(平昌オリンピックの際に日本選手団も利用したそう!)」の前を通りがかったから、これでは韓国の西端の仁川に降り立ち4時間以上かけて朝鮮半島横断をした意味がないではないか!と言いそうになるのを何とか堪え、車を降りた。3時間以内の距離を「近い」と表現するのは外国人パートナーあるあるだと思う。

「ひのき愛」溢れる、自由発想のひのきの空間

ひのきリゾートは海に近い会員制宿泊施設でゴルフ場やウォーターパーク等のアクティビティが楽しめるようだった。丁度オープン前日ということで最終仕上げ工事をしていたが、エントランスからエレベーターに乗ると、狭い空間の壁内全面に無垢米ヒバのルーバーが貼ってあり、一気に木の香りに包まれリゾートへの期待感を誘った。部屋に入るとそこは全面ガラス張りの広いバスルームに桧の浴槽や洗面台が二台づつ置いてあったり、幼稚園のプール程の大きな室内プールの天井に私たちの作る桧の塗り壁を塗ってくれており、桧の香りがこれでもか!というほどプンプン立ち込める贅沢な空間であった。日本では構造に使われる普通の節あり桧柱をルーバーのように何本も立てて空間間仕切りにしてあったり、米ヒバの壁材の上に桧柱を等間隔に重ね、スポットライトを当てて壁のアクセントにしてあったりして驚いたが、全体としてハイソなインテリア雑誌に載っている空間のようにとてもカッコよく桧やヒバを使ってくれていた。アメニティには私たちが提案した桧の鉛筆や小物も置かれるそうで、日本人以上に韓国人の「ひのき愛」を感じ、嬉しくなった。

夢中になってスタッフの方に説明を聞いていた時、ツアー全員に聞こえる声で「トイレー!」と3歳の息子が叫んでくれたから、トイレ使用可否を聞いたところトイレも使って良いし、植え込みがきれいに整備されているホテルエントランス周辺を指さし「外は全部トイレ」という驚きの返答を得た。流石にそれは遠慮したが会う人皆が子供に異様に優しいのも韓国人の凄いところだ。すっかり夜になってリゾート見学を終えると、パートナーから「すぐそこの」有名な焼き肉屋へ食べに行こうと言われたが、案の定高速道路を小一時間ほど移動して、大きな肉の塊がドンと出てくる美味しい韓国焼肉を食べさせてもらった。

私たち日本人は桧の利用と言えばまずは構造と床板と羽目板に使うものだとしているが、床にも羽目板にも桧を使わず桧の素材感と香りで強烈に印象付ける桧の使い方がある事を知った。私たちの方が桧の使い方を知っていると勝手に思い込み、外国での使われ方を見に行ったつもりだったが、韓国人の自由な発想で桧を提案する空間を体感でき、私たちの方が逆に学んだ収穫の多い旅行となった。